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職人が握る寿司はなぜ美味しい?【1番美味しい寿司を解説】

こんな人に向いている記事

・寿司の美味しさの秘密を知りたい

・寿司を考えながら食べたい

・寿司職人になりたい

たけし
たけし
元寿司職人で二児の父親です。今回は意外に知られていない寿司の美味しさの秘密を解説します。

寿司は回転寿司やスーパーで安く食べることができ、満足する美味しさです。

安くて美味しいので、今ではカウンターの寿司屋に行ったことがない人も多いはずです。

寿司職人歴10年の経験者として、カウンターで食べる寿司の魅力を伝えます。

多くの人が、カウンターの寿司屋は鮮度のいい魚を使っている、店の雰囲気がいい、ベテラン職人が握っているから、美味しいと漠然と思っているでしょう。

なぜ職人が握っていたら美味しいのか考えたことはありますか?

寿司職人が芸術作品をどのように作り出していくのかを、以下詳しく解説します。

美味しい寿司の秘密

一体感

寿司の一番の魅力は「一体感」です。この一体感こそが寿司がこの形である理由です。

美味しい寿司は咀嚼した時に、シャリとネタのバランスが良く、口の中でバラバラにならず一体になっています。

新鮮な魚を豪快に厚く切ってシャリの上に乗せても、一体感は生まれません。口に歯応えのいい魚のゴモゴモ感が残って、美味しいと感じられないでしょう。

寿司に限らず、ハンバーガーやパフェなども一体感が美味しさに繋がる料理です。

熟練した江戸前の職人は、シンプルな寿司の美味しさを最大限に引き出すために多くのことに気を配りながら寿司を握ります。

ネタ

職人は魚をネタに切りつける時に、ネタの大きさ・厚さ・形に細心の注意をはらいます。適当に切っている訳ではなく、バランスを考えながら切っています。

硬いものは薄く、柔らかいものは厚く、などはもちろんのこと、より一体感をだすためにネタに丸みをつけて切る、といったことまでします。

また魚の筋の向きも意識していることで、咀嚼の違和感も無くします。

シャリ

腕のいい寿司職人の見極めるポイントは、シャリとネタのバランスが良い寿司を握れるかどうかです。職人はネタごとにシャリの量・硬さ・形を変えています。

ウニなどの柔らかいネタはふんわりと、イカなどの硬めのネタはしっかりと握ります。

またネタの種類・大きさに合わせて、シャリの量を調節します。

最近よく見る平らな海苔の上にシャリをしきウニをのせるスタイルの寿司は、ウニには握らない方が美味しいと考えられた結果でしょう。

わさび

わさびは寿司に欠かせないものの一つです。職人は寿司によってワサビの量を調整します。

せっかく美味しい寿司でも、わさびが強くツーンとしすぎると台無しになります。

甲殻類などの脂の少ないネタはワサビが効きやすく、トロやブリなどの脂がのっているネタは効きにくいです。

品質管理

鮮度

昔の寿司は鮮度が命とされてきましたが、今の時代は違います。

その食材によって寿司にするタイミングは違います。

青魚は鮮度が重要なのですが、大型になればなるほど熟成させ旨みを引き出すことができます。

肉を熟成させることは一般的になってきていますが、寿司にも熟成ブームが起こっています。

大型のマグロなら2ヶ月も熟成させる店もでてきています。

新鮮なマグロはブリンブリンで、食感も悪い上に味も薄いです。熟成させると、身は柔らかくなり、旨みが増していきます。

タイなどの白身は程よい食感と旨みのバランスを意識しながら熟成させます。身が飴色になり、身の締まりが少し緩んだ時が食べごろになります。

寿司、刺身では熟成期間は異なります。寿司の場合はシャリとのバランスを考えながら熟成させなければなりません。

シャリの温度

シャリが冷めすぎたり熱すぎたりしては美味しい寿司は握れません。

シャリが冷めると米が塊になっていき、口の中でホロリとほどける食感になりません。

逆に熱すぎるとシャリはベッチョリし、またネタとの温度差もできます。

美味しい寿司屋はシャリの温度管理が抜群です。寿司を握るタイミングを逆算して、米を炊く時間、シャリをきる時間を決めます。

タイミング

順番

寿司のおまかせでは、職人がフランス料理のように握る順番を決めます。

1番美味しく食べられる順番で寿司を出してくれます。またお客さんを見てから、寿司を出す順番を決めることもあります。

ゆっくりと味わいたい人には、繊細な味のものから始まって、脂ののった味の濃いネタを終盤にだす。いかにもトロ好きですというお客さんには1貫目から中トロを握る。など

お客さんに合わせて調整する職人もいます。

1番美味しい状態

寿司をカウンターで食べることの一番のメリットは握りたての寿司をいち早く口に入れることができるからです。

握りたての寿司が1番美味しいので、寿司屋はカウンターにしているといっても過言ではありません。

カウンターで食べる天ぷら、仕切られた空間で食べる一蘭なども同じく、出来立てを食べて欲しいための店内の構造になっています。

寿司は温度に敏感で、職人はシャリとネタが最高の状態の時に寿司を握ります。

口に入れるのが遅くなればなるほど、寿司の温度が変化していき、握りたての状態とはかけ離れていきます。

また海苔も同じく敏感で、シャリやネタの水分を吸い取ります。

最近は手巻き寿司をお客さんに直接手渡しする店も増えています。手渡しなら、間髪入れずに食べてもらえるからです。

寿司屋にいく時には、カウンターに座ることをお勧めします。1番いい状態のお寿司を食べることができます。

 

最後に

熟成の話をしましたが、最近はさらに技術が進歩しています。

魚を神経締めした後、魚のありとあらゆる血をだしていきます。腹の中の血はもちろんのこと、骨の中の血もぬきます。

血は腐敗の原因になるので、血がない状態の魚は菌を限りなく減らした状態で熟成することができます。

そうすることで、安全に熟成期間を伸ばすことができます。

魚の熟成の技術はかなり奥が深く、今後もっと進化するでしょう。もっと詳しく熟成に関して知りたい人に以下の本をお勧めします。