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実は体育会系!料理人の生活とは?【職人の裏側】

こんな人に読んでほしい

・料理人を目指している

・職人の裏側をのぞきたい

・料理人の仕事内容を知りたい

たけし
たけし
料理人歴10年の二児の父親です。この記事では料理人の生活・仕事を紹介しています。

先に言っておきますが、料理人に憧れを抱いている人には少し酷な内容になっています。

料理人に限らず、どんな職業でも外から見る世界と実際の世界は違うものです。

僕の経歴を簡単に紹介します。

  • 大阪の老舗寿司屋で3年修行
  • カナダの寿司レストランで店長として働く
  • カナダでお持ち帰り寿司屋をオープン
  • 日本で定食屋をオープン

という感じで、大学を卒業してから約10年間でいろんな飲食店に関わることをしてきました。

料理人としてみてきたリアルな飲食店の現場を紹介します。

新人は料理をしないことも

調理師学校などで学び、ある程度料理の技術を身につけた人でも、新人の頃は包丁を握れないこともあります。

和食・寿司屋では縦社会の風潮も残っていて、下っ端の仕事は調理と関係のない掃除、接客、出前、片付け、ということもあります。

僕が寿司屋に就職して、約半年間は包丁を握れませんでした。

仕事内容は

  • 営業前の掃除
  • ランチ営業は接客
  • 電話応対・皿洗い
  • 夜営業は出前

という感じで、バイトでもできるようなことをしていました。

半年間が限界で、社長に「このままなら辞める」と直談判してから、ようやく包丁を握り始めました。

僕が勤めた寿司屋は優しいほうだと思います。

「我慢できないなら、辞めていいよ」と言われる店もあるでしょう。

老舗や高級店では、こういう習慣が残っていることが多いです。

なぜなら、そこで働いている先輩たちはみんな通ってきた道だからです。時代が変わったからといって、近道はさせたくないでしょう。

また経営者の視点から言って、掃除や出前でバイトに時給を払うより、フルタイムの新人のほうが安くすみます。

 

料理人は体力勝負

実は料理人は体育会系で、体力がなければ通用しません。

男性より女性は料理を作ることが好きな人が多いはずなのに、料理人は男性のほうが多いです。

実際に僕が働いてきた飲食店で、女性が続いたことはありません。立ち仕事で、長時間労働は肉体的にかなりキツいです。

体が疲れていては料理を美味しく作る、調理技術を学ぶ、新しいレシピを考える、なんてことはできません。

いくら料理が上手く作れても、体力がなければ飲食店で働くことは難しいでしょう。

調理技術があることより、体力がある人のほうが先輩たちに好かれやすいので、色んなことを教えてもらい、最終的には調理技術も身につけることができます。

僕はカナダで働いた時の同僚は、調理師学校出身で銀座の有名寿司屋で修行した経験がありました。僕は大卒で大阪の人情系の寿司屋です。

しかし先輩から気に入られたのは僕でした。そして次の店長にも僕が指名されました。

体力があり、バリバリ働き、威勢が良い、ということが飲食店の先輩に気に入られる秘訣です。先輩から好かれたら、調理技術を教えてもらえます。

 

毎日同じことの繰り返し

料理人は毎日、色んな料理を食べて、色んな食材に触れて、色んな料理を作る、みたいに思っていませんか?

そんなことはありません。

飲食店は機械的な作業ばかりです。

メニューにのっている料理を毎日同じように作ることを繰り返すだけ。何回も作るので、分量なんて計らず調理できるようになる料理もあります。

「料理人は味見しただけで、かろやかに調理できてすごい」みたいに言われることがありますが、数をこなせば誰でもできるようになります。

コース料理を出している店でも、春・夏・秋・冬のシーズンごとにメニューを組み替えます。それでも3ヶ月は同じ料理を作り続けます。

正直あきます。すごいやる気のある料理長ではない限り、一年後にまた同じシーズンの料理を作ることになります。

またメニューを変化させない飲食店もありますし、日替わりメニューを提供していても、その日替わりは5パターンぐらいしかないなんてことも。

そうなる理由は

  • 繁盛していたらメニューを変える意味はない
  • 同じ料理を作り続ける方がコストが安い
  • 疲れていて、新メニューを作れない

ことです。

新しい料理を作るなど、クリエイティブな仕事をしたい人は理想と現実のギャップの違いで悩むことがあるかもしれません。

 

料理をしたいなら独立すべき

飲食店に限らず、外から見る世界と実際の世界は違うものです。

幸運なことに料理人は独立しやすい職業です。

職人として雇われで働くのは技術を磨くためであって、定年まで働き続ける仕事ではありません。

その理由は

  • 給料が安い
  • 長時間労働
  • 肉体的にハード

年をとればとるほど働くことが大変になります。

フランス料理の巨匠クラスになれば座りながら最後の味見をするだけなので、肉体的に負担はかかりませんが、ほんの一握りのシェフしかなれません。

実際に何人も腰や足を悪くした職人を見てきました。年をとっても若い人と同じぐらい肉体労働をしなければならないので、年々きつくなります。

飲食店は固定費が高いビジネスなので、どうしてもマンパワーに頼りがちになります。従業員は限られた時間の中で、効率よく料理を作ることを求められます。

結論として、雇われて調理技術を身につけたあとは、サッサと独立した方がいいということです。

独立すれば自分の料理の理想を追い求められますし、働く時間も自由に決められます。

料理人は雇われだと、経済的にも健康的にもよくありません。逆に独立すれば、お金を楽に稼ぐチャンスも生まれます。

料理人を目指している人は、同時に独立のことも考えておくべきです。

 

こちらは有料になりますが、平凡な大学生が卒業から4年で海外寿司職人、6年で起業した方法を説明しています。本気で寿司職人として海外に挑戦したい人は、ぜひ参考にしてください。

有料ノート:月収14万円の平凡な寿司職人が、海外就職→月収70万円→28歳で海外起業した方法(英語は話せません)