日本の同調圧力について考えたたきっかけは、2021年のノーベル物理学賞を受賞した、アメリカ国籍の真鍋淑郎さんの発言です。
真鍋さんは記者会見で、報道陣から日本からアメリカに国籍を変えた理由を聞かれ、このように答えました。
『日本人はいつもまわりを気にして生きています。他人を邪魔しないようお互いに気遣っています。しかし私には周囲に同調して生活する能力がないのです。それが私が日本に帰りたくない理由の一つです。』
ノーベル物理学賞の真鍋淑郎氏の日本に戻りたくない理由:Yahooニュース
この発言を聞いて「確かに、日本は他人と調和的に生活することができない人にとっては生きにくい国だな」と感じました。
育児に関しても同調圧力があり、少しでも外れたことをすると、周囲から批判的な目で見られます。
親が周囲の同調圧力に負けてしまうと、子供も親のメンツを気にして、周囲との調和を大切にしようとします。
周囲との調和は大切ですが、自分の気持ちに反してまで、周りに合わせる必要はないでしょう。
同調圧力に屈しないことで得られる、育児面でのメリットは
- 子供の個性が活かされる
- 親子共に本当にしたいことができる
ことです。
以下で詳しく説明していきますね。
同調圧力とは、コミュニティ・職場などで意思決定をする時に、少数意見をもっている人に対して、暗黙のうちに多数派の意見に合わせるように誘導すること。
同調圧力に負けないことで得られるメリット

親が子育てにおいて、まわりの同調圧力に屈しないことで得られる2つのメリットを話していきます。
1、子供の個性が活かされる
テクノロジーが発達して、AI時代を迎える世の中で「個性を伸ばすことが重要」と耳にすることが多いですよね。
「個性は大事」だと言われている世の中なのに、多くの親が周りとの調和をとりたがることに違和感をいだきます。
子供の教育に関しても強い同調圧力がありますよね。
ボクが住んでいる地域では、4歳まで保育園に通っていても、5歳からは幼稚園に行くことが当たり前になっているそうです。
なので、娘たちが通っている保育園では、年中クラスからは児童の数が激減します。
知人に「なんで年中になると、みんな幼稚園に転園させるの?」と聞くと
「それがこの地域では普通で、小学校にあがる準備もできるから」という答えが返ってきました。
結局、多くの親はまわりと同じ行動をとりたがるんですよね。
幼稚園に行かないと学力に差がでるからと不安になっていることも原因です。
正直にいうと、ボクもそういう不安がないわけではありません。
そういう不安から、親はみんなと同じ幼稚園に行かせたり、塾に入らせたりと、まわりと同じような教育を子供にうけさせるのでしょう。
親がまわりを意識しすぎると、子供自身も個性を出すのは間違っていると思い、周囲と調和をとらないと絶対ダメという考え方になる恐れがあります。
ボクは、幼稚園に入れるのはダメ、みんなと同じ塾に行かせるのはダメと言っているわけではなく、親が周囲の人を意識しすぎると、子供の個性を潰すことになるんじゃないかと感じています。
親がまわりからの同調圧力に負けないことで、子供は「他の子と違うことをしてもいいんだ」と親から自然に学び、子供にとって個性をだしやすい環境になるはずです。
2、本当にしたいことができる
まわりを気にしないことは、親・子供ともに自分の本当にしたいことができる・見つけることになります。
同調圧力に屈することで
「本当は気がすすまないけど、みんながしてるから、仕方なく同じようにする…」
なんてことに、なる可能性があります。
”右ならえ”の状態だと、自分で考えることもせずに、他人のマネばかりになってしまいます。
そういう思考だと、したいことをする勇気も湧きませんし、したいことも見つかりません。
やりたいことが見つからない人は、みんなと同じように行動することに慣れてしまって、本当にしたいことを自分に問いただすこともできない状態なのかもしれません。
同調圧力によって、多くの親は「誰もが認める立派な職業につくことで子供が幸せになる」という思考に誘導されていることもあります。
そして親の意向は子供の意向になり、子供も立派な職業につくのが1番の目標になります。
ですが、それって本当に親が子供にさせたいことなのか?子供がしたいことなのか?
という疑問も残りますよね。
親の願いは「わが子の幸せ」です。
わが子と他の子との幸せの形は違うはずなのに、同調圧力によって子育ての理想の形は、みんな同じようになっていきます。
子供が本当にしたいことをできる環境にするためには、親がまわりを気にせず、わが子の意向に耳を傾けることが大切です。
同調圧力に負けない方法

親が周囲の同調圧力に負けないための3つの方法を紹介します。
1、子供の現在の幸せを最優先に考える
子供の幸せを最優先に考えることを意識することで、周囲に惑わされにくくなります。
子供は幸せそうにしてるか?
子供に無理をさせていないか?
など、子供の現在の状態に目を向けることが大切です。
多くの親は、子供の将来の幸せに目を向けがちです。
しかし将来的に子供が何に幸せを感じるのかなんて、親に分かるはずもないので、今を意識することがより大事です。
2、いろんな価値観を学ぶ
親が狭い価値観の中で生きていると、子供がみんなと違うことをするのを認めることができません。
最近、『こんなに違う!世界の子育て』という本を読んだのですが
タイトル通り、世界の育児はこんなに違うんだと実感しました。
例えば、
- アルゼンチンのブエノスアイレスだと、イベントの時などは夜12時まで小さい子供を外に連れ出す。
- ブラジルでは、小さいうちから少量のコーヒーを飲ませはじめる。
- フランスのある地域では、子供のうちから大人と同じ料理を食べさせる。
など、日本とは全くことなる価値観で、子育てをしています。
今は世界の情報がすぐ手に入り、いろんな価値観を知ることができます。
日本では変な目で見られることでも、世界に目をむけると普通なこともあります。
「こんな風に子育てをすれば、わが子は幸せになる」という確固たる自信をつけるためにも、多くの価値観を学ぶことが大切です。
3、人とは違う人生を楽しむ
子育てにかぎらず、まわりと違うことをすると、変な目で見られます。
そういう目で見られると不安になり、自分はやっぱり間違っているんだと思ってしまいます。
ですが、同調圧力に左右されない子育てを心から楽しんでいれば、そうした目は気にならないはずです。
「みんなと同じことするのはバカだな〜」と思うぐらいの気持ちで、自分のやりたいことをすることで、自信を持って子育てを楽しめるようになります。
わが家は、育児にかんして少し変わった意見を持っています。
- 学校の勉強はしたくなければしなくていい
- ご飯は食べたくなかったら食べなくてもいい
- 夜9時までは、テレビ見放題
など、あまりにも世間とは違う意見ですが、子供の将来に不安はありません。
なぜかと言うと、他の子供より個性的な子に育つのではないかと思っているからです。
個性が重要になる時代が到来しているのに、みんなと同じように育てることで、個性が出にくくなるかもしれません。
逆張りのほうが、子供の成長を楽しんで見ていられると感じています。
最後に

まわりの人に協調することは悪いことではありません。
しかし、自分の意志に逆らってまで、人に合わせる必要はないと思います。
ずっと他人を意識して生活するのは疲れますから。
子供のことに関しては、他人と違うことをすることに不安を感じることも多いでしょう。
しかし子供の幸せを第一に考えることで、同調圧力に負けない子育てができるはずです。