
カナダのバンクーバーで2年8カ月経営してきたお店を閉店することにした。
理由は3つ
・日本に帰りたい
・バンクーバーに住みたくない
・コロナで売上減少
とりあえず早く閉めたかった。
フードコート内でベトナム料理屋を経営しているおっちゃんベトナム人のMinh(ミン)が僕のお店を買いたいと申しでてきた。
僕「200万円でどう?」と提案した。
ミンは首を縦にふらない。
1回目の交渉は失敗に終わった。
僕「100万円でどう?」
ミンは検討し始めた
次の日に、断りの連絡をもらう
2回目も失敗に終わった。
僕「ならタダであげるよ」
ミンがやっと首を縦に振った、
3回目でようやく成功。まぁタダだから当たり前のことなのだが。
交渉が成立したことで残ってる契約期間の家賃の支払いもせずに済むし、後片付けもやってくれる条件だったので、ウィンウィンな内容だった。
しかし口約束なので、まだ正式な契約には至っていない。
ミンが管理会社に連絡を入れてくれると言うので、契約に関してはミンに任せた。
閉店することが決まったので、従業員に店を閉めることを告げ、閉店作業にとりかかった。
カナダでは2週間前に解雇通知をする必要があり、2週間分の給料は払う必要があった。
どうせ給料を払うなら店の片付けを手伝ってもらうことにした。
店にあるキッチン用具、書類、ガラクタなど山ほどあった。
ゴミ捨て場にある業務用の半端なく大きいゴミ箱にあらゆる物を放り込んだ。
そんな片付けをしている時に、管理会社のアジア系従業員のレイモンドが話しかけてきた。
レイモンド「何してんの?」
僕「閉店の片付け」
レイモンド「誰かに確認とった?」
僕「とってないけど、ベトナム料理屋のミンが話してくれてるはず」
こんな会話を交わした。
その夜に僕のGmailに管理会社から怒りのメールが届いた。
「勝手に閉店するな、許可をとってから片付けろ、罰金に値する契約違反」という内容だった。
とりあえず、次の日に管理会社のシニアマネージャーでもあるジョンと話し合うことになった。
契約違反の罰金という言葉をつきつけられたことはかなり怖かった。全然眠れない夜を過ごした。
僕は英語が苦手なので、英語ができる妻についてきてもらった。
朝の10:30に管理会社待ち合わせだったが、ジョンは遅れて現れた。
ジョンといっても中国人の太った60歳ぐらいおっさんだ。
彼はデカデカとした態度で椅子にかけた。
まず妻が事情を説明しようとしたが、妻が発する間もなくジョンが話し始めた。
内容の全てを理解できなかったが、とりあえず怒っていた。
ジョンの英語は中国語と混じり合った感じで、うるさかった。
妻が反論しようとしても、興奮したジョンは妻を遮り喋り続けた。
ジョンは喋っている途中にマスクを外した。
妻「飛沫が飛ぶからマスクをつけてくれない?」
ジョン「マスクをつけていたら喋りづらい。」
妻「マスクをつけて」
カナダの規則違反になるので、ジョンは渋々マスクを付けなおした。
とりあえず妻はジョンに一回落ち着いて、こちらの言い分も聞いてと言ったが、ジョンはまるで聞こえてないかのように、自分の主張を言い続けた。
ジョンの主張は何をやるにも俺に知らせろと言うことだった。
小さいオフィス内にジョンの怒り口調の英語が絶えず響き渡っていた。
僕は妻から何も言うなと釘をさされていたので、2人の噛み合わない話を聞いていた。
終わりが見えない中
妻「what do you want?」
ジョンは黙りこんでいる
妻「もちろん残りの契約期間の家賃は払うよ」
ジョン「All good. It’s done」
突然、話し合いが終了した。
ジョンは家賃を払わずに逃げられることを恐れてたみたいだ。
家賃を払うなら何も問題ないと言ってきた。
1分ぐらいで済む話なのに、ジョンが興奮していたせいで話が長くなった。
世界各国に共通してることかもしれないが、怒り狂ったオッサンは手がつけられないと感じた。
オフィスから出た後に、妻が僕の全身に除菌スプレーをふりかけた。オフィスはガラス張りなので、ジョンには見えていたと思う。
マスクを外した時のジョンの飛沫が気持ち悪かったみたいだ。
話し合いが終了した後も、妻は怒っていた。
昼ごはんでタイ料理のパッタイを食べた後も、妻の怒りはおさまらない。
僕はこれはイカンと思って、甘いものでも食べに行こうと誘った。
ネットで調べたら、ワッフル屋を発見したので、そこに行くことに。
バンクーバーのダウンタウンにあるneroというワッフル屋。

イタリアンレストランのようなオシャレな内装で、ワッフル屋とは思えない店内だった。
僕たちはアメリカーノ、アフォーガート、ワッフルを注文。

その店のアフォーガートはバニラアイスとチョコレートの上からエスプレッソをかけるスタイルで、味も美味しかった。
ワッフルの生地は軽く、外はカリッとなっていて、これまた美味だった。
ワッフルを食べた後、ようやく妻の機嫌は戻った。
やっぱり女性に甘い食べものはかかせない。