親なら誰しも、子供の幸せを考えて子育てをしています。
ですが、なぜ
- 子供がぐれる
- 親子関係の悪化
- 子供が幸せそうではない
などの問題が起こるのか?
それは、親と子供の愛情の定義が違うからです。
親は愛情を与えていると思っていても、子供は愛情を受け取っていないと感じているケースが多くあります。
こうした親子間でズレが生じる理由、そして子供が本当の意味で幸せになる育児について解説していきます。
親の理想を子供におしつける

大多数の親は子供産まれた時に「この子を絶対幸せにする」と決意します。
親が子供の幸せを願うことは普通のことですよね。
そして親自身の人生の成功や失敗した経験をふまえて、「こういう風にすれば幸せになれる」と子供に教えてあげます。
自分が後悔していることを、代わりに子供にやらせる親もいます。
- 自分は高卒だから、子供は大学に行かせる
- 自分は英語が話せないから、子供に英語の早期教育
- 自分はスポーツが苦手だったから、幼少期から運動系のクラブに入れる
これら全て、親の愛情です。
しかし、それは親自身の幸せの価値観であって、子供にあてはまるものではありません。
親は愛情を注いでいるつもりでも、子供には伝わっていません。
時代の変化は急速

時代の変化も親子間の価値観の違いを広げる要因になります。
親と子供の生きている時代は違うので、昔の幸せの価値観は、今では非常識になっている場合があります。
ぼくの親の世代(50代、60代)の幸せの価値観は
- 結婚して子供を産むこと
- マイホームを買うこと
- 大企業に勤めること
など、男は仕事してバリバリ稼ぎ、女性は家事・育児をして家庭を守る。
ということが一般的で、「マイホームに住んで愛の溢れる家庭を築く」ことが幸せとされてきました。
こうした日本の景気が良い頃の子育てを引き継いで、自分が親になっても子供に同じ教育をするのは時代錯誤もいいところでしょう。
勉強して、良い大学に入学して、安定した企業に就職して、結婚して、マイホームを買って、子供を授かって…
が、幸せなのは昔の話です。
日本経済が衰退してきているので、そんな生活をすることができる人は一握りです。
またこの生活が、全ての人にとって幸せな暮らし、というわけでもありません。
ライフスタイルの変化によって、日本人の幸せの価値観も変化しています。
なので、親の理想の生き方は、今の時代に通用しませんし、子供の価値観とも合わないことが多いです。
自分が受けてきた子育てと、同じようなことをしていては子供は親との価値観との違いに混乱し、苦しむことになります。
問題は愛情の定義の違い

親は子供には幸せになってほしいという思いで、自分の理想や昔の常識で子育てをしてしまうことがあります。
そのような子育てでは、子供は親からの愛情をあまり感じられないはずです。
そして
- 親への反発につながる
- 親に不満を持ったまま育つ
- 親に愛されてないと感じ、愛されようと頑張る
というような、様々な問題が生じてきます。
子供時代は親子関係がうまくいってそうでも、大人になった時に親への不満が爆発するなんてことも。
親はせっかく愛情をもって子育てをしたのに、子供に伝わらず、親子関係が悪くなるのは悲しすぎますよね。
その原因は親と子供の愛の定義が違うからです。
「勉強して、良い学校に入りなさい」
「人に迷惑をかけることはやめなさい」
「健康のために野菜をいっぱい食べなさい」
子供の幸せを考えて、親がこんなことを言っても、残念ながら子供には親の愛情は伝わりません。
子供は親からの愛情を感じるのは
- 失敗してもうけいれてくれる
- ハグしてくれる
- 話を聞いてくれる
- 自分を肯定してくれる
なんて時に、愛情を感じます。
子供のためにと、一生懸命がんばる必要はありません。
特別なことはせずに、普通に接するだけで充分です。

親の幸せが、子供の幸せにつながる

子供の幸せを願うなら、親自身が幸せになることが必須です。
子供は親の幸せそうな姿を見て、「自分が産まれたことは間違いじゃなかった」と感じ、子供は幸せな気持ちになります。
逆にいつもイライラしている親を見ている子供は「ぼく/私のせいでお母さんを苦しめているのかも」と不安な気持ちになります。
子供は親をよく観察しています。
なので、親は子供に幸せになるお手本を見せることが重要です。
幸せそうな親を見ることで、子供も自分もこうなりたいと思い、幸せそうな方向にむかって勝手に成長します。
子供の幸せのために子育てをするのではなく、自分の幸せを第一に考えて生きることで、結果的に子供の幸せな人生につながります。

まとめ

子供に幸せな人生を歩んでほしければ
- 自分の理想を子供におしつけるのをやめる
- 時代錯誤の育児をやめる
- まず親自身が幸せになる
ことが重要です。
子供によかれと思ってやらせていることでも、社会やライフスタイルの変化によって、それが子供の幸せにつながるかどうかは誰にもわかりません。
将来のことは子供自身が見つけていくべきであって、親がどうこうする問題ではありません。
ただ親が明るく家にいることで、子供は幸せを感じながら成長していけるでしょう。